私たちの行うクライミング講習はクライミング講習会という名の、ただの「岩登り体験会」ではありません。
岩を登るのに必要な動きの理屈を知るための、「講習会」です。
ロープを張って単純に岩を登るだけでなく、クライミングには何が必要なのかを知るためのコースです。
このため定員は、最低催行人員2名より上限5名とさせていただきます。
料金は大勢で岩が一日に一度触れれば良い程度の体験会に比べれば、少し高いかもしれません。
ですが、何故クライミングが登山にとって重要なのか、先ず上達には何が必要なのか、確保に必須な安全知識など、得られるものは料金以上に多いはずです。
次のステップである初級ステップUPクライミング講習へ定期的に参加されている多くの方の感想は、
これまで上手く歩けなかった、下りの歩き方が解った。
夏山登山での下山が大幅に楽になり、怖くなくなった。
雪山での下りが、圧倒的に上達した。
というものです。
登山に関する、歩行技術、クライミング、アイゼンワークは三位一体。別物ではありません。
岩登りが上手くできない人は、自分でも気が付いてはいませんが、実は歩き方が下手です。
逆にアイスクライミングが自然に登れてしまう人は、既に重心の入れる位置を知っているため、先にクライミングが身についているものです。
「私にはそんなに難しい岩登りは必要ない。岩稜を歩く程度だから」ではなく、
歩いて登山をする限り、誰にでも必須なものであると心得ましょう。
ロープワーク講習会に参加を望まれる方の多くが、まだ登れないのにも拘らず、先ずは知識から入ろうとしますが、これは危険な事です。
クライミングは高所での行為であり、優先順位としては、先に登れるようになることの方が、より重要であり、また時間も必要とします。
このことから、なるべく早くから継続した練習を積み重ね、運動能力の落ちないうちに、しっかりと取り組むことが重要となります。
※なお未経験者対象の為、ご参加は、初回限定とさせていただきます。
以降は、個々のレベル別に指導を行える、ガイドレシオ1対4の、ステップUP初級へお進みください。
クライミングを行うにあたって
どんなスポーツでもそうですが、経験すればすぐに上手になる事はありません。
どれだけ練習してもなかなか上達しない事もあります。
クライミングも同じで、怖さがある分だけされにその傾向が強くなります。
しかし、コツを押さえて経験をすることで、上達するスピードを早めたり、そのきっかけとなります。
そこでこの講習では実際のクライミング、確保を実践しながら、必要な技術、考えを身につけて貰うことを狙っています。
講習の主な内容は以下の通りです。
クライミングのコツを知る
クライミング中にこれらの事を意識して登ってもらいます。
・足の爪先で登る
「つま先」とは指の付け根ではなく、もっと前の指の先端のこと。これによって重心を体の前方に維持し、指や腕の負担を減らします。
・手がかりは指の力でかけるのではなく、体の位置でかける
手がかりは指の力で握り込むのではなく、指先が掛かる方向に体の位置を移動、維持させる。
・足で体を押し上げる
指や腕で体を引き上げるのではなく、足で体を押し上げて登るようにすると手の負担が減ります。
・指、腕の使い方と足の位置の関係
「脚で体(重心)を押し上げる」=「効率の良いクライミング」をするためには、手がかり、足場、そして重心の位置関係が重要です。
これらはクライミングの基本的な考え方です。これを基にクライミングを実践していく事で、穂高や北岳、剱岳にあるようなバリエーションルートやマルチピッチルート、5.10程度は登れるようになるはずです。
そしてここから更に上達するためにはクライミングの特殊な動き「ムーブ」を覚えて、それを使いこなせるようになる必要があります。
クライミングは基本的な動きをクライミングのムーブで実現し、その精度とパワーが求められるほど難しいルートになります。
確保とロープワークの基本
確保やロープ操作時に注意してもらう点です。
・カラビナ、確保器の効率の良いもち方と使い方
カラビナや確保器はもち方と操作の仕方しだいで、使いやすくなったり、操作しずらくなります。最初の段階から正しい使い方を覚えましょう。
・確保の大事な考え方
確保器を使えても、基本的な確保理論が無いと重大事故に繋がります。最近のクライミングの事故はこれが欠如しているためです。
・ロープ操作の基本
クライミングで使われる結び方は幾つかありますが、それを使う理由を知っていれば安全に繋がります。
形だけ覚えるのではなく、何故そうしないといけないのかを知っていると、クライミングは上達し易くなりますし、確保やロープワークなどでは何気なく危険な状態になってしまうことも防ぐことが出来ます。

まずは低い位置で、上からのトップロープによって、体の動かし方を覚えよう♪ そしていつかは、憧れのあのルートへ!
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