八ヶ岳、小淵沢に住む山岳ガイド、加藤美樹・久野弘龍が、ヨーロッパ・シャモニやドロミテ、国内の雪山、冬山、バックカントリースキー、夏山、登山・クライミング教室、ガイドを行っていま
す。


 2011年 8月  北アルプス・無雪期 朝日岳〜雪倉岳縦走〜鉱山道        

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2011年8月9日


「朝日岳」


 国際ガイド検定を終えたら、まずは訪ねようと思っていた朝日小屋へ。昨年の単独行とは違い、早駆けで付き合ってくれたのは、山小屋時代からの友人で、トレイルランナーのHさん。

 ちなみに、私達はトレーニングを兼ねた山行でもあるので、こちらのコースタイムはあくまでも参考にならないことをご了承ください。長距離であることから、実際の目安は山と高原社地図に
プラスアルファで計画を立てるようお願いします。

 また長距離ではありますが、蓮華温泉からの往復であれば雨であっても危険な箇所はありません。瀬戸川本流にも立派な橋が完成しました。

 ただし鉱山道は、「廃道にならないように維持管理だけはしてある程度」だと、お考えください。ルートファイティングが難しく、足下も窪地などが解らない為、もし単独で入って怪我でもすれ
ば登山者が希なだけに、自力下山するしかなくなってしまいます。ちなみに携帯も通じません。

 稜線上は相互の小屋で良く整備が行き届いていますが、日本海側の吹き曝し斜面が続くため、晩秋には注意が必要です。1989年10月8日に起こった、白馬山荘前で多数の死者を出し
た遭難事故は、まだ多くの方の記憶に残っているのではないでしょうか。



 今回は「相棒あり」とのことで、気合いを入れた午前4時前の諏訪南IC集合。7時半頃に蓮華温泉を発ちました。

蓮華温泉7:30〜朝日岳13:00〜朝日小屋13:20

 猛暑の中を瀬戸川までガンガン下って、登り返してまた白高地沢まで下る。白高地沢の橋だけは見事に完成していたものの、前後の道がまだ整備されておらず、河原を歩けばすむのに
藪へと誘導され、歩きにくいので再び河原へ出てもとの橋を目指して登山道に戻る。

 「カモシカ坂」はひたすら忍耐、「花園三角点」まで出てしまえば別天地が広がっているからこそ、耐えられる修行です。

 オーナーのゆかりさんが自室に招き入れてくれたので、何だろう?と思ったら、冬に訓練中の事故によって殉職された山岳警備隊の丸山氏と、秋にダウラギリで消息を絶った、山岳会の
仲間だった李生と、2枚の遺影が並んでいた。私が差し入れたお菓子も、早速並べられている。



「五輪の森」を抜け、「ヒオウギアヤメ」咲く湿原の向こうに、「朝日岳」山頂を望む


流石は雪渓が豊富に残るだけあって、既に八ヶ岳では花の時期も終わりつつあるこの時期でも、谷筋では「チングルマ」が元気です


標高差が1200bあるので、花の移り変わりも多彩です


雪渓の端から群落を成していく「ハクサンコザクラ」


「ミヤマダイコンソウ」


登山道は、こんなに長距離であるにもかかわらず、山小屋によってよく管理されている

 この日も蓮華温泉からは「五輪の森」の上まで、朝日小屋からは「雪倉岳」手前の鞍部まで、それぞれが草刈り機を担ぎ、長い道のりを遠征に来られていました。これは空身でも大変な
距離です。


「ハクサンイチゲ」


「ミヤマアズマギク」本州では分布が限られるが、白馬山系には多く見られる


抜群のロケーションに建っている朝日小屋(県警ヘリが来ていました)


何故かスタッフ一同の皆様と過ごす「団欒のひととき」遠く草刈りに出ていた男性陣を待っての晩ご飯でした


 この小屋では、お客様のお食事も当然ながら手が込んだ心づくしの品々であり、例え単独行であっても予約は必須です。遠い場所に建つ山小屋であるだけに、小屋では予約の際にコー
スも逐一確認し、全てのお客様が無事に到着されるのを、ちゃんと待っていてくれますし、心配もしてくださるのです。
 
 日々のお客様のメニューや花、紅葉といった情報は、朝日小屋ブログにも掲載されていますが、更に富山の米ならではの白米の美味しさも、やっぱり抜群!→http://www.asahigoya.net
/latest/



2011年8月10日


二日目の朝です。


恒例6時半からのラジオ体操!

「あのぉ・・・一応ワタシタチって、下山は鉱山道経由なのですが・・・」

 一般の登山客の皆さんには、繰り返し口を酸っぱく「うちはと〜っても遠いっちゃ〜白馬方面から来なされんかぁ 蓮華からなら早立ちされんと着かれんでねぇ」なんて電話の対応してた割
に、私達に関しちゃまったく意に介さないゆかりさん。。

 「ラジオ体操は、モチロンしていかれるっちゃ」「コーヒー飲んでかれんね」などなど・・・
相変わらず体操後のお茶まで、揃ってしっかり呼ばれてから、さ〜て、出発。

蓮華温泉に向けて下山していくスタッフのパパと分かれ、水平道へ。恒例の?スタッフ総出、万歳コールのお見送りは、チト気恥ずかしくもある。



「小桜ヶ原」から望む、雪倉、白馬方面


雪倉方面を望む


なかなか遠いけど雄大な眺め!


前日歩いた「五輪尾根」をバックに咲く「シロウマアサツキ」のネギ坊主


「オオタカネバラ」


まだ何メートルもの高さがある、「雪倉岳」カール内の雪渓


麓のものより遙かに大きな「タカネマツムシソウ」が、華やかに咲く


「雪倉岳」山頂から望む「白馬岳」


右端の眼下に建つのが「雪倉避難小屋」(あくまで避難小屋なので、計画内での最初からの利用は控えましょう)


避難小屋前の「タカネマツムシソウ」の群落


東斜面に残る、雪渓の解ける端から花開く「チングルマ」


草原地には「クルマユリ」


「鉢ヶ岳」東面を巻いたあとの鉱山道分岐より、「朝日〜雪倉」の縦走路を振り返る
(ザレ場の分岐もその先の下山路も、非常に解りにくい)


一見、分岐から先も登山道には見えませんが、ここで挫けそうな人、道の探せない人は、迷わず引き返しましょう!

 この先の登山道は、蓮華温泉スタッフの皆さんによる汗の努力で、維持のための草刈りこそ入ってはいるモノの不明瞭な箇所も多く、しかも「ここまで草刈りに来るなんて!」と、驚かずに
はいられないほどの長距離であり、最初のガレ場で既に道を見失う方が蓮華温泉まで下山しきるのは、極めて至難の業となるのです。

 ちなみに鉢ヶ岳の巻き道からは、この斜面を下る二人の登山者が見えた割には、分岐で休んでいた人達だけしか、以降この鉱山道で登山者に会うことは皆無だったので、どうやら「ガレ
場を下ってみたものの道が解らず、引き返した人が、分岐に居た二人だった?」ようです。

 こういった判断力は、山では最も大切です。例えルーファイ技術や歩く技術が欠けていたとしても、判断さえ正しければ、事故に遭う確率は減らせるものなのです。

 山行計画をつくる際には、天候や体調によって調整できる様に、いくつもの選択肢を、最初から計画に組み入れておくと良いでしょう。


「タテヤマウツボグサ」


鉛や亜鉛といった鉱石を、昭和初期まで採取していた「塩谷精錬所」に向けて、沢沿いを下る


精錬所跡まで来ていた、蓮華温泉からの草刈り作業の皆さんに遇って驚く(ここは最早、白馬山荘の方が近い位置なのだから)


「でも、こんな雪渓の渡渉が、すぐ下であるんなら、教えてよねぇ〜」

 「鉢ヶ岳沢」は雪渓の対岸側が既に崩壊しており、雪渓上の厚い部分を歩いて下った末端で、川床に降り立ち、水流を飛び石で渡渉してから対岸の登山道に向かって草付きを這い上が
る。


「ミヤマタンポポ」の変種「シロウマタンポポ」発見か?


「雪倉上の沢」の雪渓は、まだ安定していました


涸れ沢に下り立ってしばらく歩いた後、また水平になったりもする登山道(降雨時だと涸れ沢ではなくなるでしょうけど)


瀬戸川本流の橋は、丸太橋ではなく胆管で組まれた立派な仮設橋になっていましたが・・・


橋渡った後の対岸斜面が、足跡を置くだけのスペースしかない踏み跡でした


足下が崩れれば、瀬戸川本流まで転がっちゃいます!台風なんかの大雨の後だと、この踏み跡も崩れて残らないだろうなぁ


「蓮華鉱山」のトロッコ軌道があったのか?道は水平で広い箇所も多い


温泉が近くなった頃には人工物である木道や道標も表れ、全く登山者には会わない、遠い過去の遺物である鉱山道にも、漸く人里の匂いがしてきたような気がします

朝日小屋7:00〜雪倉岳10:00〜蓮華温泉13:30

 下山後の蓮華温泉ロッジからの展望は、霧で皆無。そこで山岳ライターの柏さんオススメ。白馬乗鞍の「若栗温泉」乗鞍荘まで足を延ばす。

 が、しか〜っし!油断したふくらはぎは日焼けで真っ赤???
折角の泉質が良いと噂に聞く温泉。にもかかわらず、火傷状態のふくらはぎで、お湯にはろくに浸かることが出来なかった私なのでした・・・


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山岳ガイド ミキヤツ登山教室は、夏山、冬山ともに国内では八ヶ岳、穂高・槍ヶ岳、剣岳、北岳、小川山、瑞牆山など、海外ではヨーロッパのシャモニ、ドロミテで山岳ガイド、登山教室、雪
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