八ヶ岳、小淵沢に住む山岳ガイド、加藤美樹・久野弘龍が、ヨーロッパ・シャモニやドロミテ、国内の雪山、冬山、バックカントリースキー、夏山、登山・クライミング教室、ガイドを行っていま
す。国際山岳ガイド連盟・日本山岳ガイド協会所属


 2010年 8月  南アルプス・無雪期 北岳バットレス Dガリー奥壁        

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 北岳バットレスも、4尾根を登った方や、岩登りの経験がそこそこある方はDガリー奥壁がオススメです。
 このルート、下の写真で映っている、赤っぽい色の部分ですが、そのしたの陰の所に、核心部となるハング帯を登っているパーティが見えます。
 その右上は4尾根のマッチ箱のコルで、ここにも人がいます。
 

 写真を見ると、難しそうに見えますが、登るのが極端に困難ということはなく、ちょっとクライミング経験があれば問題ないレベルでしょう。
 ルートは上の写真の部分で5分の1程度であり、全体の長さが500メートルほどになるため、難しいクライミングを楽しむというよりはこの長さを楽しむルートといえます。

 そもそも、Dガリー奥壁というのはこの赤っぽい色した岩100bの部分のことで、ここまで行くのに今回はdガリーをそのまま詰めています。そうすると、dガリーが400b、Dガリー奥壁が
100bで全長500メートルとなるわけです。

 このDガリーには他にピラミッドフェースや下部フランケから行く方法があるのですが、ルート全体を考えた場合、dガリーをそのまま詰めると、ほぼ直線で終了点まで辿り着くことができま
す。
 常に終了点のあるスカイラインを目指して登り続けるというのは、他の岩場ではそうはない状況です。多くの場合、弱点をついた合理的なラインで登ると、自分が壁の中のどこにいるのか
解らなくなって、そのルートの長さを感じながら登ることが出来ません。

 バットレスのこの微妙な傾斜が、フリーで楽しく岩を登りながら、かつ、直線的に各ピッチ40〜50b延ばして登る楽しさを提供しています。
 もう少し難しくても良いかな、と思わせるところもありますが、登っていて楽しいルートです。
 



 アプローチの途中で明るくなるようにするには、小屋を3時30分頃には出発しないといけません。
 取り付きまではおよそ2時間(500b)。傾斜も急で、登山道ほど歩きやすくないので、どのルートへ行くにもこのアプローチを疲れずにこなすかが核心となり、もちろんここで疲れてしまう
ようでは体力不足です。



 ルートの全容ですが、正面少し右の菱形がピラミッドフェース。Dガリーはその菱形の左縁のdガリーを上がり、上部のDガリー奥壁を登ります。




 これが、下部4分の1のあたりから見た上部。
 スカイラインの正面右側の白っぽいところの上が終了点。あそこまでまだ10ピッチほどあります。




 上の写真が上部のDガリー奥壁。赤丸(クライマーがいます)と矢印がルートで、右上の青い点線が4尾根。




 ルート全体の写真ですが、赤のSがDガリー奥壁(dガリーから奥壁)のスタートで、Gがゴール。緑の線が、上の写真の部分です。
 青点線は4尾根で、1〜2の部分が下部岩壁。「3」が4尾根の取り付きで、ここからGの終了点を目指します。
 Dガリーがずっと岩登りが続くのに対し、4尾根は2〜3までは歩きが入ってしまいます(それでも、クライミング要素があるため、充分面白いですよ)。




 Dガリー奥壁の核心部である、ハング帯を抜けるところ。
 実際にはハング帯よりも、この抜け口で岩の割れ目に左手を効かせるのが核心です。
 ちょっと難しいので、お助けヒモも用意しておきます(登れる方は使ってはダメですよ)。この辺りは小さめのカムが有効です。




 Dガリー奥壁から、4尾根のマッチ箱のコルを見たところ。



 Dガリー奥壁自体は実際には小さいのですが、かなり上部にあるため、高度感があります。



 僕自身はここのスラブが核心だと思っているのですが・・・。
 でも、ハーケンが沢山あり、らくちんです。


 最後は上部城塞の、大きな割れ目に向かって登るのですが、この割れ目、ここ数年の間に広がっています。
 つまり・・・4尾根自体が傾いているような気がするのは僕だけでしょうか。
 





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