八ヶ岳、小淵沢に住む山岳ガイド、加藤美樹・久野弘龍が、ヨーロッパ・シャモニやドロミテ、国内の雪山、冬山、バックカントリースキー、夏山、登山・クライミング教室、ガイドを行っていま
す。


 プチ・カピュサン 「ヴァレリア・ガリー」       

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2010年4月9日

 研修スタートの三日前になって、漸く雪の落ち着いたシャモニの天候です。そうは言っても、研修用のスキー道具以外にも、苦労して運び込んだ数々の登攀具。この好天期を、指をくわえ
て見過ごしては居られない。何と言っても、既に半月を天候待ちで過ごしていたのですから。

 けれど研修に下山が間に合わないような、グランドジョラスやドロワットといった大きな壁は、流石にもう狙う猶予が無いので、「大きくもないけれどちょっと長め」のルートを久野がセレクトし
た。


それがこのプチ・カピュサン

 「プチ=小さい」だから、もちろん「グラン=大きい」カピュサンもあります。グラン・カピュサンと言えば岩登りのルートで名だたる岩峰ですが、今回は、画像の中央プチ・カピュサン左寄りの
縁に繋がっている、氷の筋が目標です。ルート名は「ヴァレリア・ガリー」( W 4+ 400m)。
 2ピッチ目からルートは左右どちらにも取れますが、 一緒に登りだしたイタリアンパーティーが右の直登を選んだので、私たちは左のラインへ移って3ピッチ目で再び彼らと合流しました。

 登りだしは下部のブラックアイスが如何にも黒々としていて硬そう。今年は寒すぎて氷の発達が悪く、多くのルートが下部は黒い氷で始まっている。

 プチカピュサンは、エギュ・ドゥ・ミディ始発のケーブルに乗ってバレーブランシュを滑り下った、イタリア国境付近にある岩峰だから、フランス側からのアプローチは遠い。取り付きまで登っ
たところで、イタリア側エル・ブロンネルの駅から来たと思われる、4人のイタリア人が一緒になった。

 最初のピッチは加藤から。ここが最も硬い氷であったたために、ビレイ点に着くまで余裕がなく、よって画像も無し。
 中央寄りを登って来たイタリア人の若者はとても速く、先にビレイ点に着いてしまう。「ちぇー、上手いなぁ・・」と、彼の居る側にトラヴァースしたら、何のことはない。中央の方が、ずっと氷質
が良かったらしい。私たちの後ろに続くもう一組も、同じライン取りのため、黒く硬い氷に手こずっている。

 流石はイタリアン、先行したパーティーの彼らは常に私のリードの度、残置支点(中間支点はほとんど無いけどビレイ点はある)を譲ってくれる。
レディーファーストってやつ?

 先行の上手い若者、ここもう何度か登ってるね?
 だってあの向こうはイタリアだ。
 グラッチェ!


1ピッチ目


フォローしてくる久野

 
2ピッチ目


リード後、終了点の久野

 
3ピッチ目のリードへとスタートする加藤


この先は狭くバランシーになる


4ピッチ目をフォローする


5ピッチ目の雪田から、岩のルンゼに入っていく加藤


正面下部からの画像で解りずらいが、ここから以外に傾斜もある


6ピッチ目をフォローする加藤
先行パーティーのラペルするロープが落ちてきて「ロープがグチャグチャになるぅ!」しかも後続の仲間を置いて、サッサと下っても良いのか??


7ピッチ目へスタート「あし、足、届きまシェ〜ん」 
         

高度が上がって、雪は脆く柔らかくなってきた


「ぷ、はぁ〜」


最終ピッチ、終了間際に久野からの要請で、ポーズを取る。


後続パーティーさんゴメンよ〜 もう日が暮れちゃうの(でも流石はイタリアン、悠長にココで休憩してました)  


シュルンドを飛び越えるのに、ビビリながらロープを手繰っていたら・・・


跳ぶ前に、落ちちゃった(シュルンドの中じゃないケドね)


プチ・カピュサンを振り仰ぐも、後続パーティーの降りてくる様子は無い「大丈夫かな・・」


来るときに滑り下ったバレー・ブランシュも、帰路は延々とした登りである(夕暮れの背景はダンディ・ジュアン「巨人の歯」)

「スーパー・クロワール」にも、一組ラペル中のパーティーが見えたが、コスミク小屋には来なかったので、ミディの駅ビヴァーグだろう。

 予約しておきながら夜遅くに着いた私たちに、小屋の主人は呆れ顔。「遅くなるなら電話くらいしなさい」(だって、電話は持ってないのよ・・・)
それでも暖かな食事を出してくれました。次はやっぱり電話持っていかなくっちゃね・・ごめんなさい。

 
プチ・カピュサンは、決して「プチ」では無かった。デカいよ、充分に!
ほぼ12時間行動しっぱなし(ほとんどはアプローチと下山の登り返しだけどね)で、ろくに食べていなかった胃に、暖かなスープとコスミク小屋のご夫婦の暖かさが、ジンワリしみ込んだ夜
でした。

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