八ヶ岳、小淵沢に住む山岳ガイド、加藤美樹・久野弘龍が、ヨーロッパ・シャモニやドロミテ、国内の雪山、冬山、バックカントリースキー、夏山、登山・クライミング教室、ガイドを行っていま
す。

 山岳ガイド ミキヤツ登山教室の山行記録 チュルップ湖トッレキング/2007       

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5月30日
いつものチュルップ湖(4300b)へ、高所順応のため出掛けてみた。
 

初めは何台声を掛けても、街の外の閑村じゃ名前が通じない。
やっと捕まえたタクシーだがやっぱり道は詳しく知らないらしく、途中のセニョーラ(おばさん)、セニョール(おじさん)に道を尋ねつつ高度を上げていく。
毎年、最初の高所順応で訪れるチュルップ湖だが、昨年はコレクティーボ(乗り合いタクシー)に遙か下で降ろされてしまって、遠い道のりだった。
だから実を言うと、私達の方がまだ道は知っている方なのだが、そうでなければ随分不安になったことだろう。

 

登山口のピテックからでも、チュルップ湖のある谷の奥は随分遠く見え、歩き出してすぐに頭は痛くなるし、気持ちも悪くなる。こんな高度でどうしたんだろう、おかしいな?
そう思っていたら、それは歩き出しだけで何てことはなかった。
どうやら車で、かなりの標高まで一気に上がってしまったのが悪かったようだ。
後は嘘のようにコンディションも快調になって歩いていく。久野はやっぱり苦しそう。

最初に追い越した、単独の白人のおじさんはフラフラになって歩いていた。数b歩いては止まっていて酷く辛そうだ。あっという間に振り返っても姿も見えなくなってしまった。

最後の登り、滝の前で休んでいたトレッキングの一団も、ここから道が悪いこともあって足下が危うい。現地、白人両方のガイドが付いていたが、遅すぎて焦れてくる。
 

悪場を登れば僅かで、開けたチュルップ湖の前に出る。

やっぱりここは何度来ても心地よい場所だ。
久野も心配したほどではなく、二人揃ってここへの道のりも回を重ねるごとに楽になってきた。

  

帰路は、登りからさほど進んでいない位置でおじさんと会った。
「大丈夫?」と訊くと、「さっきは吐いてしまったけれど大丈夫だよ」
と返事が返ってきた。
(それって・・大丈夫じゃないでしょ?)
とは、思ったが、「気をつけてね」と言って別れる。

高山病とは恐ろしいものだ。
日本には高山が乏しいため、日本人は余り高所に対する危険意識が高くはない。
私達もかつては同じだった。大切な人の変わり果てた姿を、実際にこの目で見る日までは。

 

下山はコレクティーボの出る集落、ユッパ村まで歩いて降りた。タクシーなら登山口まで約2千円するが、乗り合いタクシーなら1人約120円で帰れるからだ。
下の道は馬や牛も通るので、馬糞や牛糞にまみれとても臭いが、ここから見る谷間の集落やパッチワークのような急斜面の畑を眺めながらノンビリ歩くのが、私は嫌いじゃない。
 

客待ちのコレクティーボの扉を開けてくれた小さな助手は、6歳のおチビさんだった。若いドライバーは珍しく英語が出来たので、
「この子は弟?」と尋ねたら、
「いや、息子なんだ。僕は今26だけど、結婚は19でしたんだ」と恥ずかしそうに答え、
「昔はみんな10人前後の子供が居た。でも国の政策で今は1人か2人なのさ」
と、更に教えてくれた。
この子供ばかりの目に付くペルーでも、そんな政策があるんだ。と感心する。
この国では貧富の差は未だ激しく、日本製の営業車に混じって、韓国製の新車も目に見えて増えてきた。その一方では、物乞いの子供やお年寄りも街の至る所に居る。
そんな政策も、仕方がないのだろう。

 

そんな話で待つ間に、下山時に追い越してきた二人のトッレカーも来た。
ワラスに向けて出発だ。
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