八ヶ岳、小淵沢に住む山岳ガイド、加藤美樹・久野弘龍が、ヨーロッパ・シャモニやドロミテ、国内の雪山、冬山、バックカントリースキー、夏山、登山・クライミング教室、ガイドを行っていま
す。


 2007年 3月  北アルプス・積雪期 西穂高岳        

  メール・お問い合わせはこちら  mikiyatsu2008@gmail.com    
トップページ
募集コース
web登山教室
山行報告
ガイドについて
ガイドの紹介
メール・問い合わせ


 3.17〜18

 冬の西穂高岳は天気次第。
 昨年は天気が悪く、ロープウェイが運行停止。それも3回全滅だった。冬型の強いときには要注意だが、3月の下旬は例年あまり天気が良くない。ちょうどこの時期に寒の戻りがあって、
強い冬型になるので、山では注意が必要だ。実際、昨年もこの時期に阿弥陀岳で事故があったし。



 出発は朝5時30分。
 午後から天気が悪くなるので早めに出発した。西穂は下山が核心なので、天気に合わせて出発時間を調整しないといけない。
 ちなみに、西穂稜線は日の出頃に風が強まった後は気温の上昇と共に少し風もおさまるが、昼前から再び風が強まることが多いので、出発時に天気が良いからといって、油断は禁物で
す。




 例年、この時期は雪面が硬く氷化していることが多く、アイゼンを気持ちよく効かすことができるが、それは技術を持った人にのみできること。たとえ、丸山付近でそれが可能だったとして
も、独標の辺りから西穂にかけての稜線は中途半端な技術では滑落の危険がかなり高いので、しっかりと練習してから行ってください。


 丸山周辺の氷化した斜面。陽が当たり、気温の上がった10時過ぎでもこんな状態。朝はもっと硬い。


 ルート上のポイントはまず独標と次のピークの下降とピラミッドピークを越えてから、西穂高岳の登りへと続く一連のトラバースです。
 基本的には夏道と違って、主稜線上を進みますが、一部岐阜県側を巻くところがあります。ここはアイゼンワークをミスしやすいので、細心の注意を払って進みましょう。
 実際、今回の山行では一人の人がトラバース中にスリップしました。
 これはロープをつけて行動していたので、事無きを得ましたが、一人で行く人は気をつけてください。また、ロープを付けて行動する場合にも、この斜面で確保するには確保者が常に上に
いないと止めることは難しくなります。




 西穂高岳への最後の登りは見た目ほどきつくはなく、意外な感じで頂上に飛び出します。
 頂上からは明神岳から前穂高岳、奥穂、ジャンダルム、西鎌尾根から黒部の山々、更に笠ヶ岳へと、山また山の世界です。




 繰り返しになりますが、西穂は下山が核心です。
 まずは以外に簡単だった、最後の登りを下ることになります。
 しかし、この簡単だった登りは、かなり怖い下降になります。スリップすれば、止まることなく新穂高方面へ滑り落ちていくことでしょう。こんな場所はたとえ前向きに下りる技術を持ってい
たとしても、後ろ向きで慎重に降りた方が良いです。

 


 この下降が終わってもまだ気を抜いてはいけません。
 次は氷化した西側斜面のトラバースです。
 アイゼンの引っ掛けとスリップに注意して歩きますが、モナカ状に表面が凍っているときは崩れた氷板にのってスリップすることがあるので、これにも注意が必要です。ロープを使って確保
する場合は確保する人は上に回って確保しましょう。

 ピラミッドピーク辺りではちょっと気を抜くことができますが、独標が近づいてくると、再び慎重な行動が要求されます。
 降りていくときの独標の手前のピーク周辺は雪が岩にうっすらと乗っているだけのことがあるので、注意してください。




 独標を慎重に登り返し下降すれば、一安心です。

 上部に無謀登山者が・・・。彼は独標の下りでお尻をついて降りてきました。しかもピッケル無し。
 この時期、西穂独標周辺にはそんな、一見の価値ありな登山者が多いので、皆さん注意しましょう。


 今回は昼前から天気が悪くなると、予想していたので、早い時間から行動しましたが、案の定、10時頃から風が出て、ガスに包まれてしまいました。



 独標と西穂山荘の間は、簡単な斜面ですが、ガスが出ると途端に迷いやすい尾根に変わるので、天気が悪くなりそうだったら、途中から引き返してでもはやめに降りた方が無難です。




トップへ
トップへ
戻る
戻る



山岳ガイド ミキヤツ登山教室は、夏山、冬山ともに国内では八ヶ岳、穂高・槍ヶ岳、剣岳、北岳、小川山、瑞牆山など、海外ではヨーロッパのシャモニ、ドロミテで山岳ガイド、登山教室、雪
山教室、クライミング教室を行っています