2025年のドロミテクライミングツアーの募集を開始します。
ガイド費用
50万円 (クライミング7日間、現地8泊、出国から帰国まで11日間)
※別途、滞在費(=ガイド経費)、現地費用、ご自身の航空券費用などが必要です。
航空券を除いた総費用の目安 65万円程度を目指します。
確かに、金額は高いかもしれませんが、内容を考えると納得していただけると思います。
・天候が許す限り、毎日マルチピッチクライミング
・フリータイムや予備日といった、ガイドが手を抜く時間は作っていません。
今後、為替レートが円安、あるいは円高に移行した場合は料金を見直します。
お越しになる方の費用をトータルで抑える工夫が、アパートの利用です。
ホテルに泊まって外食をすると、意外に高額(2025年7月平均:一泊朝食付きで最安で20000円、夕食5000円以上)になるだけでなく、滞在中、温かい飲み物を飲んだりするにもお金が掛かり、冷蔵庫も無いため飲み物を冷やすこともできず、とても不便です。
アパートに泊まっていただくことでこれらの不便を解消できるだけでなく、現地の食材を自分たちで調理したり、ホテルではできない経験が可能です。
メリット1 費用が抑えられる
私たちが滞在するアパートに「同居」していただくカタチによって以下の費用が押さえらえます。
・私たちの滞在費と食費、つまり、お客様に請求しなくてはならないガイド経費
・お客様の滞在費と食費がホテル、外食に比べて安くなる。
つまり、皆さまの宿泊費としていただいているのは、ガイディング中の私達の滞在日、つまりガイド経費と思っていただけると良いと思います。
私たちの仕事はガイディングであり、アパートでの宿泊、食事などは範囲外なので、参加された皆さまには掃除や食事の準備などはシッカリと手伝っていただきます。
メリット2 1人1部屋利用できる
多くの海外登山、クライミングツアーが二人で一部屋での滞在となりますが、アパート利用の場合一人一部屋を使えるのも大きなメリットです。
メリット3 食費が安くなり、しかし野菜中心の食事が摂れる
僕が外食をしたくないのでアパートで自炊します。
ガイドの仕事ではないのですが、もしよければ皆さんの食事も一緒に作ります。
・・・美味しいの?と思われるかもしれませんが、少なくともこれまでお越しの方には好評です。
外食のようにでピザ、パスタを食べて終わりではなく、前菜2品以上、メイン2品が毎日のノルマ?で、野菜中心の食事です。
滞在費の目安の目安
2025年8月の為替(1ユーロ170円、換金レート実質175円)で計算しています。
お客様お一人で一部屋の利用
6月、7月のみの滞在の場合 12000円 (8月になると3割以上高額になる事をご了承ください)
食費 お酒込みでお一人、2000円程度
2025年8月時点の円・ユーロの為替状況と現地の物価上昇等から、5年前と比べて大きく変わってしまったこと、ご了承ください。
また、滞在費(=ガイド経費)はお越しいただく日程の為替で上下します。この為実質の換金レートが今よりも円安、あるいは円高になった場合はそれを反映した料金とさせていただきます。
ガイディングについて
何処かのルートを登ってツアーは終わりではなく、「ドロミテで毎日遊ぶ」ことを目指しています。
もちろん、お越しいただく方の「ここ登りたい」という希望は可能な限りお応えしますが、天候やコンディションに合わせて、毎日登る事を優先します。
実際、天気が悪くない限り、そして午後からの夕立があったとしても、ルートや時間を上手くやり繰りし、200〜400m、6〜15ピッチ程度のマルチピッチルートを毎日登る事になります。
これこそが、ドロミテで登る醍醐味です。
もしドロミテの天気が悪い場合は、世界的に有名なクライミングの街「アルコ」(車で2時間、しかしアプローチは5分)に行きます。
しかしドロミテは雨が降っても1日中降り続くという事は無く、また、雨に強い岩場もあるため、2025年は天気の悪い日もありましたが、毎日登れました。
費用の目安
2026年の為替、レンタカー費用、航空券などによって変わる可能性があるため、あくまで目安ですが、以下の通りとなります。
参加者がお二人の場合のお一人の料金
ガイド料金 出国〜帰国まで11日間 (現地8泊 行動7日間+空港間の移動2日間) 50万円
航空券以外の総費用の目安 62万円 (ガイド料金50万円、滞在費と食費12万円)
プライベートガイドをご希望の場合
ガイド料金 出国〜帰国まで11日間 (現地8泊 行動7日間+空港間の移動2日間) 80万円
航空券以外の総費用の目安 95万円 (ガイド料金80万円、滞在費と食費15万円)
その他、行動中のガソリン、高速料金、駐車場料金(1万5千円程度)、山小屋利用の場合の宿泊費、ロープウェイを利用した場合の費用が必要となります。
他に比べて高い?
ドロミテでは毎日行動することになるので、一概には比べられませんがマッターホルンツアー、モンブランツアー等が100万円を超えることを考えても、3割は安くなると思われます。
ヨーロッパでクライミングしてみたいと思う方には私達の行うドロミテツアーは良い選択肢だと思います。
その他費用
山小屋を使用した場合の宿泊費
ガソリン、高速料金、ロープウェイを含めた現地交通費(お一人3万円程度)。
ドロミテ予備知識
ドロミテはイタリアの北東部、長いブーツの形をした国土のちょうど、ブーツの後ろ縁、膝の裏辺りといった感じでしょうか?
このドロミテのある南チロル地方は、ハプスブルグ家、イタリア、フランス、ドイツなど、様々な巨大国家に編入されてきた過去を持ちます。当時はオーストリアとの国境だったこともあり、第一次世界大戦中は酷寒のアルプス山中で塹壕、要塞戦が繰り広げられた場所でもあります。
ドロミテまたはドロミティとは、石灰岩が海中で変質した岩石・ドロマイトを発見した人物の名を由来とし、このドロマイトの巨大な岩峰が林立する景観は世界でも固有のものであり、ヨーロッパアルプスの東の端に当たります。
ヨーロッパにおいてはクライミングの聖地であり、昔は貴族階級の遊びと挑戦の場であったアルプスの高山に対し、貧しい階級から出たクライマーでも腕を競い挑戦し、自分たちの力を世に問うことの出来る場であったらしい。
これによってチロル地方では、戦前から盛んにテクニカルなルートが開かれ、またメスナー兄弟などの能力の高いクライマーを輩出しています。
ドロミテを勧めする理由
ドロミテの特徴は、高所の影響を受けにくいことと、天候、天気の悪い時の対応がしやすいことが挙げられます。
ヨーロッパアルプスというと雪山と4000mを越える高山をイメージすると思いますが、ドロミテも立派なアルプスの一部です。しかし、標高は3000m以下、雪がついていることもほとんどありません。
高所である場合は高度の影響を考えて行動せざるを得ず、時差ボケがある場合は更にその影響が大きくなります。このため、どうしても高度順応や時差対策などでスケジュールが制約されてしまいます。
しかしドロミテは壁は大きくとも標高は無いため、到着日や移動日も登ることができます。
天候的にはヨーロッパ全土がよっぽど変な気候にならない限り、基本的には毎日登れます。たとえ朝方雨でも、午後には登れるルートが沢山あります。
しかし天気が悪い時は車という機動力を活かして別のエリアに移動する事で対応が可能です。
ドロミテは基本的には他のアルプス地域と同じ気候に属していますが、陸路での2時間から5時間ほどの移動で、全く気候の異なる、アルプス地域以外の大きなクライミングやトレッキングエリアに移動することができます。
飛行機や列車などを利用せずに、全く気候の異なる地域に行けることはドロミテの大きな特徴の一つです。
代表的なエリアは、まずはイタリア・アルコ(Arco)。
ドロミテ西部からなら2時間以内で到着することができます。
イタリア北部のこの古城の町は、クライミングを中心に成り立っているといっても過言ではありません。街を基点にショートルートから1000mを越えるマルチピッチルートが無数に存在しています。
次にお勧めするのは、アドリア海の国、クロアチアのパクレニツァ(paklenica)。
ドロミテからは5時間ほどと、少し遠くなってしまいますが、その代わりに環境は抜群です。クロアチアのパクレニツァ国立公園内にある岩壁群がその対象で、アプローチが短いのが特徴です。
また、この国立公園はアドリア海に接しているため、海沿いの宿に滞在、公園内でクライミング、そして海を見ながら食事というリゾートライフを楽しむことができます。
他にもイタリア北部のクライミングエリアや、クロアチア・イストラ半島周辺のクライミングエリアなど魅力的な場所がたくさんあります。
ドロミテのクライミング 5.7程度のレベルからたのしめます!
ドロミテでのクライミングは高差150m〜1000mのマルチピッチクライミングが中心。その本数は正確にはわかりませんが数千本というレベルだと思います。
ガイドブックも多く出ていますが、そもそもガイドブックに載っていないルートも多く、現在であってもルートが増えています。
もちろんショートルートエリアも沢山あり、天気の悪い日だけでなく、コンディショニングにも最適です。
ドロミテの岩質はドロマイト。これは石灰岩に鉱物が混じったものです。普通のよくある石灰岩に比べて硬いのが特徴です。そのため傾斜が強くともホールドが豊富です。このため300m以上に渡って垂直以上の傾斜を有する壁もあります。
そんなドロミテの壁でのクライミングはスポーツルートとクラシックルートに分けることができます。
スポーツルートは大きく分けて二つに分類できます。
@ボルト間隔が比較的短く、基本的に必要な装備はクイックドローだけのルート
Aボルト間隔が極端に遠く、カムやナッツなどでプロテクションを取らなくてはならないルート
@のルートはボルト間隔が3メートル〜5メートル間隔で打たれているので、クイックドローだけで登ることができますが、間隔が短いといってもショートルートに比べればかなり広いですし、グレードが下がるとさらに広くなります。
ですからやはり少しのカムは持っていた方が良いでしょう。
Aのルートは大きな壁で展開されるルートによくあるパターンです。
ボルト間隔は例えば5.11を超える場合でも、本当に必要な部分にしかなく、かなりのランナウトを強いられます。カムやナッツは必須ですが、必ずそれで支点が取れるとは限りません。
ですからグレード以上の能力を持って取り付く必要があるのですが、そもそもドロミテのグレードがかなり辛いという事も忘れてはいけません。
ドロミテのクラシックルートは単に古いルートという訳ではありません。
ドロミテの壁はドロマイトという石灰岩の一種で構成されています。このため、ハーケンの喰い付きが良く、2000年以降の初登攀であってもハーケンを使用して登られています。
また、ハーケン仕様だからグレードが低くクラシックルートという訳でなく、ハーケンを使用していてもグレードが5.13を超えて連続するルートもあります。便宜上クラシックルートという言葉を使用してはいますが、ハーケンを使ったルートであってもグレードは様々です。
いずれにせよ、クラシックルートは壁の弱点を登るルートが多く、そういう意味では自然なラインのルートが多いのが特徴です。
ドロミテの壁は傾斜が強いのに、ホールドが多く大きいのも特徴です。このため、グレードが低くとも傾斜が強い壁をグイグイ登ることができますが、基本的にはフェイスクライミングが中心になるため、ルートファインディングが難しくなります。
クラシックルートの面白さはスポーツルートと違いボルトや残置物を追って登るのではなく、壁の弱点を自分で探しながら登るというところにあります。しかし、これは逆にルートファインディングが極端に難しくなることも意味し、弱点を突いた結果、ルートを外してしまうということもあります。
クラシックルートを登る際には人気ルートでない限り、残置物を追えばルートを外さないという事は無く、確実なプロテクションワークと自分の強い意志をもってルートを見つけることが必要となります。
ヴィアフェラータ
クライミングの苦手な方は、ケーブルを辿ることで岩峰に登頂できるビアフェラータもおススメです。
これは日本での一般登山に近いのですが、子供を伴い半日で簡単に行けるものから、世界大戦の遺構を辿るもの、小屋と小屋を繋いだり渓谷や岩峰を繋いでいく本格的なロングコースまで、ヨーロッパでは様々なコースが人気を博しています。
ドロミテのヴィアフェラータの特徴は、第一次世界大戦時の軍隊移動のために使用された遺構を利用していることと、純粋な登山のための手段として利用されているモノが多いことだと思います。
ヨーロッパにヴィアフェラータは数多くありますが、岩場でのアトラクションとして作られたものが多く、ドロミテの様に頂上を目指すために存在しているものは少ないといえます。
ドロミテは、山といえば岩山であるため、その頂上を踏もうとするとクライミングが必要となってしまいます。しかしワイヤーや梯子を張り巡らすことで、クライミング技術や経験の無い方でもそんな岩山の頂上までたどり着くことができます。
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