八ヶ岳、小淵沢に住む山岳ガイド、加藤美樹・久野弘龍が、ヨーロッパ・シャモニやドロミテ、国内の雪山、冬山、バックカントリースキー、夏山、登山・クライミング教室、ガイドを行っていま
す。国際山岳ガイド連盟・日本山岳ガイド協会所属

 2012年 4月/5月 北アルプス・残雪期 白馬岳主稜       

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2012年年5月13日 直前の寒気によって、再び降雪に見舞われた北アルプス。



春になってから(GW以降でさえ)大量の降雪があるのは、ヨーロッパも含め、国内でも、近年の傾向のような気がします。


剱岳は八峰に行くはずだった前後のチーム全員で、唯一天候のの安定していると予想された日曜日に、白馬主稜へと転戦しました


この前日の白馬界隈は、激しい突風に見舞われていたのですが、私達はと言えば、民宿で日も高いうちからのんびり酒盛りと温泉に講じ、窓から波立つ田圃を眺めていただけ。白馬尻辺
りまでテントで入山していた方々は、きっと大変だったのではないでしょうか。



高い稜線では雪ですが、標高2500M以下ではやっぱり雨だったらしく、主稜の雪は随所で割れて岩登り・・


しかも白馬岳の岩は脆く浮いており、とてもじゃないが無雪期には登ろうとは思わないだろう。



でもお客様は、八峰からの転身レベルのメンバーですから、逆に割れた雪壁や岩登りは、良いアクセントとなった様です



全く雪onlyの雪稜と、雪が少なく岩が現れた時と、条件次第で難易度が変わってくるのが、また「白馬主稜」という名クラシックルートの面白さでもあります(スカイラインの尾根が、先日6名
もの遭難者を出した、小蓮華岳から白馬への主稜線です)



既に割れ始めている雪稜から随所に現れた岩場や、時折大きな段差にもなっている雪壁は、傾斜もあるので、ダブルアックスが最後の雪壁以外でも活躍してくれた




白馬の民宿を3時スタートの我々は、最後の雪壁で先頭に追いつく(最後で雪庇だけは、GW以降にも再び、やや育ったみたい?)



ガイドパーティー3組に、先頭は単独?他2パーティーくらいで、空いていて快適な登りでした

(もっとも先頭パーティーは後半戦の新雪で、そこそこ大変だったでしょう・ありがとうございました)



登っているうちは「まだ遠いなぁ」とか、なんだかんだ言っても、やっぱりこの雪稜は美しい



山頂から白馬山荘へ



もちろん下山はコレでしょう!

ただし葱平下部の急斜面は下が硬く、前後の適度な傾斜は新雪で潜って滑らない・・・



下半分はやっと快適な古いザラメ雪になって、童心に返るひとときです



猿倉の駐車場から振り仰ぐ白馬岳の山頂「あんな処まで、登ってたんですねぇ」

そりゃ感慨深いし、ちょっと、あり得ない気もしますよね。





2012年4月29日 今年のGWが良かったのは前半だけ。4連休の後半は大荒れで、遭難が多発しました。


けれど前半だけは、ピーカン!


雪は十分だった、今シーズンの白馬岳主稜


藪っぽい処もなく快適


うねうねと続く、恐竜の背びれ


「こんなに越えてきたの?感慨深いなぁ」なんて、思ってません?まだまだ有りますよ〜


「がぉ〜」


頂上直下だけは、相変わらず・・・の、順番待ち(雪庇が抜けられるところは、決まってるんですね)


「コレ・・・崩れてこないよね?」


雪庇を抜けて山頂に立ったら、白馬山荘の前から、もう下山


大雪渓、今年は凄まじいデブリの海


スッパリ破断面


どこまでも続くデブリ〜


スキーで上っている人も多いけど・・・コレって、滑って面白いのかしらん?





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