八ヶ岳、小淵沢に住む山岳ガイド、加藤美樹・久野弘龍が、ヨーロッパ・シャモニやドロミテ、国内の雪山、冬山、バックカントリースキー、夏山、登山・クライミング教室、ガイドを行っていま
す。国際山岳ガイド連盟・日本山岳ガイド協会所属

 山岳ガイド ミキヤツ登山教室の山行記録 モンブラン・タキュル ガバルークーロアール        

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 <二つ見えるピークの右峰に突き上げる、右側のルンゼがガバルークーロアール>
 
 1日目、朝イチのケーブルで上がり、シェリークーロアールというアイスルートを一本登って、2日目、まず1本のガバルークーロアールを登るという計画は出発から崩れた。
 3月28日は日曜日。久しぶりの好天で、しかも日曜日。ミディへ上がるケーブルは大混雑が予想された。しかし、僕らの住む家はミディのケーブル乗り場の50メートル横。朝イチで切符を
買えば、少なくとも5番ケーブル辺りには乗れる腹づもりだった。
 朝イチのケーブルは7時。6時45分に家を出て、ケーブルの駅に46分につく。切符売り場で切符を買う。
 「じゃあ、36番ね。11時30分よ」
 一瞬耳を疑う。
 「6番だよね」と聞き返すが、36番、11時30分と再び言われた。
 3人で、どうするか話しあっているときにふと駅の時計が目に入った。
 8時10分!
 3人の時計を見ても7時10分だ。昨日までは時計はあっていた。しかし今朝から3人の時計だけが一時間遅れになってしまった。
 そう、サマータイムだ。
 日本には無い習慣で気づかなかったのだが、さらに、3月も28日という中途半端な日付で替わるなんて。信じられない!
 とりあえず、借家に帰って11時に出直すことにする。
 
 結局、ケーブルに乗ったのは11時40分。このままシェリークーロアールに行けるかどうか解らないが、とりあえず向かうことにする。
 ミディの山頂駅は氷河スキーヤーで大混雑。駅からの降り口で順番待ちをして、ようやく氷河に降りて、スノーシューを付ける。
 1日目の課題、シェリークーロアールまでは30分のアプローチだ。



 1ピッチ目からOリードで登り始める。今年は雪が少なく、最初から氷が出ている。2ピッチ目では氷が無くなり岩を登らなくてはならなくなった。3ピッッチ目までOリードで、この辺りからよう
やくアイスクライミングらしくなる。4ピッチ目は久野リード。5ピッチ目以降は大したこと無さそうなので、そこからラペル(懸垂下降)。
 Oと久野が、一緒に一本ずつ使って下降する。その後、加藤が下降して、時間的にはかなり速く下降できた。

 小屋に着いて食事を取り、明日に備える。出発は朝の3時だ。

 朝の3時30分頃出発する。スノーシューを付けて、取り付きに向かう。が、30分ほどして、取り付きが解らないことに気づく。月もない時間帯なので、取り付きがよく解らない。うかつに取
り付けば、大変なことになる。以前、この近くのルートを登ったこともあるが、どんなだか忘れてしまった。
 しかたがないので、ツェルトにくるまって、明るくなるのを待つことにする。

 薄明るくなった6時頃、スイス人ガイドパーティがガバルークーロアールに向かう。僕らもようやく目標のルートが解ってきた。

 取り付きで準備して7時30分頃スタートする。
 取り付きからは雪壁が続く。



 最初は久野リード。所々氷が出てくるが、それほど難しくはなく、300bほど登る。


 70〜80度位の氷が続く。氷質は堅いが、凸凹があって登りやすい。見た目より傾斜があって、気が付くと結構ランナウトしている。


 氷のピッチはまだ続く。氷が薄いところもあり、ピックで岩をたたいてしまう。


 日の当たるところは氷も柔らかく登りやすい。


 核心のピッチ。見た目より傾斜がある。氷も途切れがちで、なかなか難しいが、面白い。


 このあと、稜線までは以外に長く、更に最後に岩のピッチが出てきてイヤらしかった。


 ルート全体を通して、さすがに名ルートだけあって、楽しいルートだった。
 稜線に出てからは更に登りが続き、しかも雪が少ないためほとんど氷が出ていた。一般ルートを下降するのだが、信じられないくらい荒れていて、セラック、クレバスの連続で、とても一般
ルートとは言えない状況になっている。今後、とりあえずタキュルの一般ルートを登ることを考えている人は心して行く方がよい。少なくともダブルアックス(70度10bの氷壁)での登下高
(クライムダウンも含む)が出てきます。

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山岳ガイド ミキヤツ登山教室は、夏山、冬山ともに国内では八ヶ岳、穂高・槍ヶ岳、剣岳、北岳、小川山、瑞牆山など、海外ではヨーロッパのシャモニ、ドロミテで山岳ガイド、登山教室、雪
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