リグロス/Riglos
世界的にも稀な礫岩では、ジャガイモホールドを駆使した世界的にも特殊なクライミングが楽しめます。
高低差300メートルのマルチピッチクライミングですが、アプローチも車から5分から15分程度と短いこともおすすめポイント。
どんなクライミング?
ここでのクライミングはショートルートもありますが、マルチピッチクライミングをするに限ります。
石灰岩に多くの礫が混じったような岩質で、オレンジ色の壁から飛び出している礫はまさに「ジャガイモ」。このジャガイモホールドをガシガシと掴みながら登ることになります。
このジャガイモホールド、大きさはピンポン玉からテニスボール、更にサッカーボールほどの大きさのものもあり、いずれにせよ岩から飛び出したこのジャガイモを掴みながら登るスタイルは、世界的にも稀です。
壁の高さは300メートルほどあり、各ピッチ、30〜50mと長いのも特徴で、傾斜は垂直かオーバーハング。
しかし「ジャガイモホールド」が気持ちの良いガバなので、グイグイと楽しみながら登ることができます。
どんなところ?
リグロスはスペイン、アラゴン州にある、高低差300メートルの岩峰群です。
アラゴン州はピレネー山脈のスペイン側に広がる平地が多く、リグロスはその平地から飛び出している景観はまさにワールドクラス。クライマーだけでなく多くの観光客も訪れる地です。
オレンジ色の壁から飛び出した「ジャガイモホールド」にはチョーク痕がしっかりと残り、下の集落からもそれが続いている様も他では見られない光景です。
駐車場からは取り付きまで5分〜15分。
周辺は小さな町が点在し、ロアレ城やウエスカ、少し足を伸ばせば多くの観光地だけでなく、ショートルートエリアも数多くあります。
ロアレ城。
装備とシーズン
リグロスには全体で300本ぐらいはルートがあると思いますが、多くはボルトを使用したスポーツルートです。
しかし中には自分でプロテクションを撮らないといけないようなクラシックルートや、スポーツルートであってもランナウトしているためカム類を持っていた方が良いルートもあります。
また、あまり登られていないルートは例えボルトルートであっても岩が脆い場合があるので注意が必要です。
クイックドロー・カム類
多くのルートが1ピッチ30m以上で、クイックドローは15本程度以上は必要になります。中には50mというピッチもあるので、軽量なクイックドローが必須です。
たまにランナウトしているルートもあるので、小・中サイズのカムがあると安心です。
ロープ
シングルロープの方が登る時に楽でオススメですが、トラブル時の下降を考えて、80メートル以上の軽量シングルループが安心です。あるいはダブルロープを使用するのであれば、7ミリ台のロープでツインでの使用がお勧めです。
※同ルート下降する場合は、オーバーハングしているので最初の人が必ず各ボルトにクリップし、二人目が回収しながら降りてください。
シーズン
ルートが南向きのものが多いため、ベストシーズンは秋(10月〜12月)と春(3月〜6月中旬)のようです。冬に登っているパーティもいるようですが、寒そうです。
夏でも登れるようですが、日陰を選んで登ることになるため、選択肢は少なくなります。
おススメルート
以下に挙げるルート以外にも沢山のルートがあります。
レベル、コンディションに合わせて選択肢は豊富なので、ぜひジャガイモホールドを楽しんでください
Currucuclillo, Frechin, 230m 5.10b
礫岩、ジャガイモホールドを知るには最適なルート。
Normal, El Puro, 180m 5.10d
リグロスでのマスコット的存在。鉛筆の様な岩峰を登ります。頂上はまさに畳半畳。5.10dですが、1手だけなので頑張りましょう。
Moskitos, La Visera, 250m 5.11a
壁全体が被っている「La Visera」の弱点を辿りながら登る、変化のある好ルート。核心部の5.11aはエスケープも可能。
Alberto Rabada o Murciana, El Pison, 300m 5.11c
リグロスで最も大きな「El Pison」のど真ん中を登るルート。弱点を狙わずダイレクトに登れるのは、ジャガイモホールドのおかげ。グレードは高めですが、継続しないのでレストを入れながら登りましょう。
Directa As Cimas, Mallo Fire, 280m 5.11b
リグロスの岩峰群の中でも特に独立した、大きな岩峰(Mallo)のど真ん中を登るルート。グレードの割に傾斜が緩い(と言っても垂直ですが)ので登りやすい。
La Fiesta de los Biceps, La Visera, 270m 5.11c
リグロスを代表するルート。世界で最も楽しいマルチピッチルートの一つと言われています。後半の数ピッチはずっと被っているので、ロングフォールすると壁から離れてしまいます。トップも、セカンドもテンションを掛けるなら支点の近くでお早めに…。
チョークで飾られたジャガイモが300メートル以上続きます。
Popeye, La Visera, 210m 5.12c
登っていませんが、最高に楽しそうなルート。 |
Mallo Fire
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ギャラリー
レスト日のおススメ
ロアレ城 詳しい情報
リグロスから車で15分ぐらい。11世紀のお城がほぼ残っています。
アルケサル (Alquezar) 他の方の旅行記
車で40分ぐらいかかりますが、修道院を中心に作られた街は見ものです。クライミングのエリアもありますが、トレッキングにおススメ。
その他、ウエスカの大聖堂、サラゴサのアルハフェリア宮殿など、スペインのアラゴン州には見どころが沢山あります。
ショートルート
リグロスのルート自体がショートルートの連続するマルチピッチの様相なので、ショートルートで体を作りつつマルチピッチを楽しむのがお勧めです。
ロディリャル(Rodellar)
日本人も沢山登りに来ている、スペインを代表する岩場。一時間ぐらいかかりますが、夏でも登れるので暑い時にはオススメです。しかし、この村が何もない山道の奥にあるので、滞在しないと面倒かも。
それでもやはり、ルートの質、量ともにワールドクラスなので、是非とも訪れたいところです。
トポは現地で購入できます。
ヴァディエロ(Vadiello)
リグロスからも近く、車で30分ぐらい。道路脇にメインの岩場があり、アプローチは簡単。エリアは渓谷内に点在していて、10ピッチ以上のマルチピッチルートもあります。メインエリア周辺で100本程度はルートがあるので、リグロス滞在中は便利な岩場です。
また傾斜も、垂壁からドッカブリ、長さも30m以上のスケールのものがあり、、コンディショニングには最適です。
東向きのエリアが多いので、昼過ぎから行くのがお勧め。
現地クライマー、「ロディリャルよりも面白いだろ!こっちの方がずっと難しいし。」と言っていました。
トポはウエスカのスポーツショップに売っています。
※メインエリアではまだルートが増えていて、トポに載っていないルートは現地クライマーと話していると教えてくれます。
リグロス El Pison下部
リグロスでもEl Pisonの下部にショートルートエリアがあります。
ルート本数は少ないですが、グレードも5.9から5.13以上まであるので、礫岩に慣れるには最適です。
その他、リグロス周辺には、対岸のPena Rueba、Mallos de Agueroなど、岩峰群があり、マルチピッチ、ショートルートが揃っています。
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ガイドプラン
1日目:バルセロナ空港集合〜移動
2日目:ショートルートでコンディショニング
3日目:クライミング・マルチピッチ
4日目:クライミング・マルチピッチ
5日目:クライミング・マルチピッチ
6日目:レストorクライミング・ショートルート
7日目:クライミング・マルチピッチ
8日目:クライミング・マルチピッチ
9日目:クライミング・マルチピッチ
10日目:移動〜バルセロナ空港〜帰国
11日目:日本到着
日程は長くしたり、短くしたりできます。
クライミングは基本的にマルチピッチクライミングを主体に登りますが、必要に応じてショートルートでのコンディショニングを含みます。難しいルートばかりではありませんが、連日のマルチピッチクライミングは疲れるので、レスト日やショートルート、観光を含みます。(もちろん、毎日マルチピッチでもOK!)
費用:ガイド料金1名あたり30万円〜40万円 + 宿泊費・食費・ガイド経費(ガソリン代等)
※お一人でのお申込みも問題ありません。他の参加者を募り、ガイド料金は最終参加人数によって変わります。
宿泊:ガイドとアパートに滞在します(一人一部屋の予定です)。お一人4000円〜5000円を予定しています
食事:ガイドと一緒に自炊が基本です(すこし手伝っていただきます)。お一人1000円程度を予定しています。
ガイド経費:ガソリン代金およそ5000円程度になると思います。
航空券:ご自身で手配していただきますが、GW前後であっても4月25日発であれば7万円程度であります。
参加レベル
5.10をコンスタントに登れる方にお勧めします。
基本的にフリークライミング能力が必要とされるルートなので、参加をお考えの方はしっかりと登りこんでお越しください。
クライミングが不安な方でも登れるルートがあるので、ご相談ください。 |
山岳ガイド・ミキヤツ登山教室
メール:mikiyatsu2008@gmail.com
ブログ:山でボナペティ!
電話:0551‐36‐6345
携帯:090‐7195‐6134(久野 )
山岳ガイド・ミキヤツ登山教室は、加藤美樹、 久野弘龍がそれぞれ主催する個人ガイドの集合体です。
(社)日本山岳ガイド協会認定、山岳ステージ2、国際山岳ガイド連盟認定、国際山岳ガイド資格を保有し、ガイド業を行なっています。
私たちは、ガイド業を通じて技術や道具、登山情報を、過去の慣習や過去の経験ではなく、現在の経験に基づいた現場情報を提供することで、登山をする方が安全に楽しめることを目標としています。
ガイド業務中には皆様の安全を図ることはもちろん、講習会や行動しながら登山技術を伝えることで、ご自身で行く登山をサポートします。
皆様の「目前の夢」を実現するのではなく、自分の力で夢を実現する力を身に着けていただくことを目標としています。
これらのことを実現するための手段がガイド業であり、皆様に提供する情報を得るために現在もプライベートでのクライミングを続けています。
主なガイド・フィールド
海外
フランス・シャモニ・クライミング
イタリア・ドロミテ・クライミング
ギリシャ・カリムノス島・クライミング
タイ・プラナン(ライレイ)・クライミング
その他
国内
八ヶ岳・冬季登山、クライミング
小川山・瑞牆山・クライミング・講習会
剱岳・クライミング
穂高・槍ケ岳・クライミング・岩稜縦走
北岳・甲斐駒ケ岳・クライミング
その他
加藤美樹・久野弘龍
日本山岳ガイド協会認定
国際山岳ガイド連盟認定
八ヶ岳山岳ガイド協会所属
〒408−0041
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メール:mikiyatsu2008@gmail.com
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