八ヶ岳、小淵沢に住む山岳ガイド、加藤美樹・久野弘龍が、ヨーロッパ・シャモニやドロミテ、国内の雪山、冬山、バックカントリースキー、夏山、登山・クライミング教室、ガイドを行っていま
す。国際山岳ガイド連盟・日本山岳ガイド協会所属
質問コーナー
質問があります。
※2/10は無風、快晴の絶好の天気でしたが、雪面は全般的に柔らかかったです。
鉾岳の西面を巻くところ、二十三夜峰の下りは足元が崩れそうな気がして不安でしたが、これは、アイゼンの置き方が悪かったのでしょうか。
疲労があり、へっぴり腰になっていたこともありますが。
※GWの頃は二十三夜峰の斜面は天気の良い時はグサグサの斜面になると思いますが、
その様な時は登下降は危険ですか。
質問の件ですが、雪が柔らかい時には足元は崩れるものです。
崩れた状態のまま鉛直方向に加重すれば、雪は下に逃げることなく圧縮されてアイゼンが効く足場となります。
崩れた状態のまま斜面の傾斜と同じ方向に加重すれば、雪は外へにげて圧縮されることなく、この為アイゼンが効きにくい柔らかい雪が残り、さらに雪と一緒に滑る可能性があります。
柔らかい雪の時は、足を着地させて荷重し始めた瞬間はアイゼンがずれる状態ですが、(荷重方向が正しければ)荷重と共にアイゼンが効いてきます。
アイゼンが効くまでが怖いのですが、だからといって早く次の足を出そうとすると逆に滑る状態が続いてしまいます。
雪が柔らかいのは、新雪が残っている時だけでなく、気温が高く雪が腐った状態でもありえます。
しかしどちらの場合であっても同じ様な考え方、歩き方で良いと思います。
しかし注意しなくてはならないのは、明らかな積雪層の違いがある時です。
つまり、表面が硬く、中がスカスカのモナカ雪や、表面がグサグサに腐っているけど、その下は比較的硬い層がある状態です。
通常は雪の層は下に行くほど、「徐々に」硬くなるのですが、それが逆転していたり、違いが顕著な場合があります。
こうなるとバランスを崩したり、アイゼンが効いた雪がズレてしまい雪と一緒に滑り落ちることになります。
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