八ヶ岳、小淵沢に住む山岳ガイド、加藤美樹・久野弘龍が、ヨーロッパ・シャモニやドロミテ、国内の雪山、冬山、バックカントリースキー、夏山、登山・クライミング教室、ガイドを行っていま
す。国際山岳ガイド連盟・日本山岳ガイド協会所属

クライミングシューズの選び方


最も大事なことは足型に合っていることです。

一般的にシューズメーカーごとに傾向があります。
スポルティバは親指が長い人が向いていると言われ、スカルパ、オーツンなどは親指が人差し指と同じか、少し短い人が向いていると言われます。
ファイブテンはスカルパ、オーツンに似ています。

シューズが痛いのは、その一点だけが強く圧迫されるからであり、全体が圧迫されるとそれほど痛さを感じにくくなります。

シューズは適正サイズを履いた時に性能が最も発揮されますが、それは指が曲がっている状態です。
足の実寸が23センチの方は、メーカーが表示、推奨している23センチから24センチのサイズを選ぶべきです。
メーカーごとにサイズ感は違うので、例えばスポルティバなら23、スカルパなら24、オーツンなら23.5など、実寸+1センチぐらいまでは確認した方が良いと思います。

自分のシューズが合っているか?というのはテストすればすぐにわかります。
壁に手をついて立ちつま先立ちになります。
つま先立ちになるというのは、指の付け根で立つのではなく、指の腹で立つ(つまり指の付け根を床から浮かす状態です)事が必要です。
この時、親指だけに力が入るのか、人差し指を中心に親指、中指にも力が入っているのかを確認します。
どちらが良いという訳ではないのですが、親指だけに力が入るソリューションの様なシューズよりも、親指から中指までの3本に力が入るシューズの方がオールラウンドに使えると思いま
す。

できる限り多くのシューズを同じサイズ感で試し、自分の良い感覚でつま先立ちできるシューズを選んでください。
もし足型があっていなければ、良い感覚で立てたとしても何処かが当たって入たいはずです。あるいは何処も当たらなくて痛くなくても、良い感覚で立てないはずです。
ある程度の妥協(痛み、圧迫感、感覚)をしながらシューズの候補を絞ってください。

シューズの候補が絞れたら、次はサイズ選びです。
ショートルートのみ、本気シューズであれば可能な限りう小さいサイズ。
マルチピッチ、ジムなどで使用するのであれば、そのサイズから0.5から1.0(メーカーによっては1.5)大き目を選ぶと良いと思います。
しかし、大き目を選んでも指が曲がっていることは必要です。

マルチピッチ目的で選ぶ際、大き目のサイズやマルチピッチ専用(と言われる)シューズを選ぶ人が居ますが、大きな間違いです。
ゲレンデなどコントロールできる範囲で登る時よりも、マルチピッチルートの方が安全をコントロールしにくい状況であり、落ちたくなかったり、墜落が許されない状況があります。つまりマルチ
ピッチの方が怖かったり、安全でないことがあります。
そんな時に性能の低い靴よりも、ある程度信頼できる性能の高いシューズの方が良いという事です。

「マルチピッチはシューズを履いている時間が長いため、大き目のサイズで痛くならないことが必要である」というのは極論で、他方には「信頼できるシューズの方が安心して登れる」という
考えがあります。
この妥協点として、マルチピッチでは確保中はシューズを半分脱ぐ解くことで対処できます。
そう考えると、履いたり脱いだりがしやすいベルクロタイプのシューズがお勧めとなります。


価格や評判に左右されないで、上述の考えを持って、焦らず試し履きを繰り返してください。



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