八ヶ岳、小淵沢に住む山岳ガイド、加藤美樹・久野弘龍が、ヨーロッパ・シャモニやドロミテ、国内の雪山、冬山、バックカントリースキー、夏山、登山・クライミング教室、ガイドを行っていま
す。国際山岳ガイド連盟・日本山岳ガイド協会所属


 2008年11月  クライミング 二子山中央稜        

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 二子山は日本のフリークライミングエリアの中でも、最も人気のあるエリアのひとつ。
 難しいルートが多いのですが、この中央稜・6ピッチはそれほど難しくはなく、グレード5.9(5級から6級くらい)です。
 「それは難しい!」と思うかもしれませんが、今の道具と技術(理論)があれば、クライミングをしたことのある人なら、それほどでもないことが分かると思います。
 岩質は石灰岩で、ホールドは沢山ありますが、やさしい岩場のように、水平な足場や手がかりは少なく、縦向きのものが多いのが特徴です。
 梯子を上るような「岩登り」ではなく、体全体を使っての「クライミング」を楽しめる、比較的やさしい貴重なマルチピッチルートです。
 「マルチピッチクライミング」をここで経験してください。
 
 

 ルートは写真の最も高いところに抜ける岩稜です。
 高さは200メートル弱ほどですが、上・下の岩壁に分かれていて、それぞれ3ピッチずつあります。



 ルートは石灰岩特有の縦ホールドが多く、クラックも発達しているので、カムが有効です。
 ボルトも打ってはありますが、ビレイ点も含めてそれらを使わずに登ることも可能で、私たちも希望があればそれを行います。
 じっさい、ボルトを利用せずに登るとかなり充実します。




 写真は2ピッチ目。縦ホールドが多く、なれないと苦労するかもしれませんが、落ち着いて足をうまく使えば意外に登れるはずです。




 核心は3ピッチ目。
 凹角を登りますが、クラックをホールドとして使うために、ここも縦ホールドでのクライミングとなります。
 ジャミングもすると楽ですが、それよりもうまく足を拾って、縦ホールドを利かせるために体を振ることが重要です。これが出来ないとかなり苦労します。ここが「岩登り」と「クライミング」の違
うところ。




 写真は5ピッチ目。
 4ピッチ目以降は比較的易しくなりますが、高度感が出てきて楽しめるところです。
 ここも、相変わらず体の振りが出来ると、快適なクライミングになります。




 ルートの終了点は本当に頂上です。

 クライミング経験者が、もし二子山中央稜を登って苦労をするようなら、クライミング技術を間違えている可能性があります。体の振りを使って、腕力に頼ることの無いクライミングが出来て
いれば、それほど苦労はしないはずです。
 ゲレンデではなく、6ピッチのクライミングでそれを試してみてはいかがでしょうか。
 
 難しいように感じますが、これがスタートラインです。

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