八ヶ岳、小淵沢に住む山岳ガイド、加藤美樹・久野弘龍が、ヨーロッパ・シャモニやドロミテ、国内の雪山、冬山、バックカントリースキー、夏山、登山・クライミング教室、ガイドを行っていま す。国際山岳ガイド連盟・日本山岳ガイド協会所属
氷河スキー
・バレー・ブランシュ(ミディ〜モンタンベール) 2004年4月5日
12時のケーブルでミディの山頂駅に向かう。
この時間になればほとんどスキーヤーもいないため、何の問題もなく上にあがることができる。
このコースは以前にも行ったことがあるが、その時は5月末で、クレバスもたくさんあいていて、とっても恐かった記憶がある。しかも僕はスキーが下手だったから(今も下手だが、もっと下
手だった)、クレバスを勢いよく飛び越えないと行けないところで、クレバスをまたいだ状態で止まってしまったり、曲がりきれずにクレバスに突っ込んでしまいそうになったり。とにかく大変な 思いをして滑った記憶がある。
とにかく、そんなルートだ。
ミディの山頂駅からは歩いて降りる。夏にはスノーリッジを降りることになるのだが、このシーズンはロープの手すりがついている。道もつくってある。もしかしたら、去年の夏が異常に暖か
く、状態が悪かったためにこのようにしているのかもしれない。このシーズンは初めてなので、ちょっと解らない。
とにかく、歩いてスキーで滑り出せそうなところまで降りる。短い距離だが、アイゼンをはけばカンタンだ。アイゼンを付けなくとも大丈夫だが、滑って恐い。手すりにすがるように降りてゆく
のは不様なので、アイゼンを付けて堂々と降りたほうが美しい。
やはり山では格好が大事だ。
スキーをつけて滑り出すのは、リッジを降りきったコル状のところだ。
前々日に降った雪が重く積もっていて、滑りにくい。しかし、シュプールは無数にあり、それを追えば比較的滑りやすい。
先日登ったガバルークーロアールを横に見て、更に滑り込んでゆく。
とりあえずの目標、スーパークーロアールを偵察してゆく。このルートを登ろうと、既に4日間が天候待ちのために過ぎていた。
よく見ると、1パーティ登っているではないか。天気が悪いので自重していたが、ちょっと後悔。
中央の懸垂氷河の、更に右の壁を登った
真ん中の蜘蛛の糸みたいなのがスーパークーロアールだ!
快適な滑りが続く。
さらに滑り込んでゆくと、クレバス帯にはいる。時期が早いので、以前ほど荒れていない。
救助隊のヘリがやってきた。誰か動けなくなったようだ。その横を久野がルートを間違えて登っている。ちょっと邪魔かも。
今回の核心部も難なく通過することができた。
クレバス帯を振り返る。ここが中間地点。多くの人達が昼御飯を食べていた。
あとはなだらかなメール・ド・グラスをモンタンベールへ向けて滑るだけだ。
メールドグラスからレショ氷河を望む。この奥に有名なグランドジョラス北壁が聳えている(見えているのはプチジョラス)。
モンタンベールに着くとドリュが顔を出してくれた。このドリュもシャモニの顔だが、見えている西壁は98年に大崩壊し、幾つかのルートが消滅し、残っているルートも登りにくいものとなっ
てしまった。(2005年、更に崩壊し、完全に登攀不可能になった。北壁は良いかもしれない)
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