八ヶ岳、小淵沢に住む山岳ガイド、加藤美樹・久野弘龍が、ヨーロッパ・シャモニやドロミテ、国内の雪山、冬山、バックカントリースキー、夏山、登山・クライミング教室、ガイドを行っていま
す。国際山岳ガイド連盟・日本山岳ガイド協会所属
穂高岳のバリエーションルートは沢山ありますが、上高地から見える、岳沢のルートといえば、このコブ尾根でしょう。
名前の由来「コブ」は、ルート上にある岩峰で、ここだけでも3ピッチのクライミングになります。
コブ前後は、硬くしまった雪の斜面、雪稜のアップダウン、そして懸垂下降、さらに稜線直下では雪壁の登攀、更に下山では西穂、奥穂縦走路の一部を通過し、天狗沢を一気に岳沢に向
かって下山します。
岳沢ヒュッテが雪崩によって無くなってしまってからは、テント泊のみになってしまいますが、それでもお勧めには変わりありません。
コブ尾根へは、岳沢ヒュッテ跡の左側のルンゼを詰めます。
GW前後では落石の危険が高くなるため、早朝出発が必要です。
傾斜はそれほどではありませんが、雪も硬く、長いため結構疲れます。
ルンゼを上り詰めて、リッジに出ると名前の由来、「コブ」が目の前に現れます。
日本離れした景色で、剣岳と共にお勧めです。
最も高いのが「コブ」で、その右下は「ロバの耳」、右側の稜線が奥穂につながる主稜線です。
リッジに出てからは。文字通りナイフリッジのアップダウンが続き、その下をトラバースするクライミングが続きます。
リッジからコブの登攀は、浅いルンゼ状の草つき登攀から始まり、アックスを駆使すると楽しめます。
コブ登攀も2ピッチ目あたりから岩登りになります。前穂北尾根の4峰の出だしのようなクライミングとなります。
コブを登りきると、懸垂下降になりますが、下降点は狭いので、セルフビレイはしっかりと杜って下降しましょう。
コブの登攀後も、リッジクライミングは続き、雪稜、岩稜と、厭きることはありません。
最後の雪壁は、雪も腐っていることもあり、疲れますが、慎重に登ります。
「コブ尾根の頭」で登攀終了ですが、風の強い穂高稜線では西側と東側では雪の量が全く違います。
このシーズンはアイゼンをはずし、天狗のコルへ向かって下降をしました。当然、凍った箇所ではアイゼンをつけましたが、付けたり外したり、面倒くさいですが、こうしたほうが安全かつ、
早いと思います。
天狗のコルからは天狗沢を下降します。
天狗沢の左岸は畳岩という、傾斜のゆるい岩壁となっているため、雪が不安定の残っています。そのため、大きなブロック雪崩が起こりやすいので、スピードを上げて下降します。
穂高岳・コブ尾根。
白馬主稜のようにメジャーにはなりきれないですが、絶対のお勧めには間違いありません。
もし、コブの登攀に雪や氷が残っている状態なら、ワールドクラスになり得るルートです。
山岳ガイド ミキヤツ登山教室は、夏山、冬山ともに国内では八ヶ岳、穂高・槍ヶ岳、剣岳、北岳、小川山、瑞牆山など、海外ではヨーロッパのシャモニ、ドロミテで山岳ガイド、登山教室、雪
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