八ヶ岳、小淵沢に住む山岳ガイド、加藤美樹・久野弘龍が、ヨーロッパ・シャモニやドロミテ、国内の雪山、冬山、バックカントリースキー、夏山、登山・クライミング教室、ガイドを行っていま
す。国際山岳ガイド連盟・日本山岳ガイド協会所属
阿弥陀岳北西稜は八ヶ岳の中でも一押しの好ルート。
アプローチでのラッセル、中間部での雪稜、上部でのミックス帯。雪山の技術的な総合力が問われます。
アプローチは雪が深いことが多く、トレースが無いときには苦労しますが、それも山の小さい八ヶ岳、2時間もがんばればここまで来られます。
ワカンがあれば楽ですが、無くとも何とかなります。
中間部以降は雪稜だけでなく、草付や岩、雪が出てくる、日本的なミックスクライミング。
ダブルアックスが有効です。岩をたたかないように、でも、しっかりと打ち込んで登れば、気分は日本離れしたクライミング。
ルートはおおむね岩稜の右側を巻くように進みますが、もちろんリッジ通しに行くことも可能です。
写真は巻きルートで、ダブルアックスを駆使してのミックスクライミングはこちらのルートの醍醐味です。
リッジ通しの場合には高度間のある岩稜クライミングとなり、最初のリッジに上がるところと、もしそのまま岩稜通しに行くなら最後のピッチは核心になります。
巻きルートと岩稜ルートの合流点がここ。
どっちもお勧めです。
前の写真のビレイ点からさらにルートは分かれて、左巻きルートと、直上ルートがあります。
ここは左巻きルート。
スリルのあるトラバースです。後続のために支点は多めにとっておいたほうが無難です。
左巻きルートのハイライト、ドライツーリングセクションです。八ヶ岳の中で自然にドライツーリングが楽しめるのはここぐらいなので貴重です。
A0、人によってはアブミを使っていますが、ドライツーリングで登れます。グレードは「?」ですが、M5〜6ぐらいではないでしょうか。
支点も豊富なので思い切っていけますが、リードの場合はビレイ点からトラバースしてからの場所なので、墜落すれば結構落ちます(たぶん)。
ドライツーリングの場合、正面の岩だけでなく、頭上の右側の岩を使うと、上手く行けます。
直上ルートの場合、顕著な凹角を上りますが、傾斜に圧倒されず落ち着いて登れば、支点も豊富なのでそれほど難しくはありません。ただし、最後の抜け口はジャミングして遠くのガバを
とる動きになるので、体の大きい人の方が有利かもしれません。
いずれのラインをとるにしても、キャメロットの灰色〜黄色ぐらいがあると便利です。
核心部を過ぎれば、後は簡単な斜面ですが、まだ困難を楽しむ余裕のある方は左のリッジ通しに登れば、まだ楽しめます。
このルート、巻きルートでA0せずに登れればたいしたものです。
ダイレクトルートと巻きルート、どちらもお勧めで、2度登っても楽しめます。
山岳ガイド ミキヤツ登山教室は、夏山、冬山ともに国内では八ヶ岳、穂高・槍ヶ岳、剣岳、北岳、小川山、瑞牆山など、海外ではヨーロッパのシャモニ、ドロミテで山岳ガイド、登山教室、雪
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