八ヶ岳、小淵沢に住む山岳ガイド、加藤美樹・久野弘龍が、ヨーロッパ・シャモニやドロミテ、国内の雪山、冬山、バックカントリースキー、夏山、登山・クライミング教室、ガイドを行っていま
す。


 山岳ガイド ミキヤツ登山教室の山行記録 シャモニ周辺のゲレンデ       

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 山岳リゾートであり、数多くの山岳ガイドも住む「シャモニ」周辺には、新旧様々な岩質のゲレンデもあります。
 普段はスイス国境近くのジェトロや、下の街にある7a+(5,12a)以上の、比較的高グレード狙いの岩場へ行くことが多いのですが、今回は研修前とあって、逆に6(10ノーマル)以下の
クラスの岩場を渡り歩いています。これらを冬のブーツで登ることが目的なのです。

まずはシャモニの代表格といえば、このガイアン

平日の昼間もこの賑わい

 主にちびっ子岩登り教室や、ガイド登山のガイドが、お客さんを本番前にここで練習させるのに使われています。南向きで日陰もないので午後はかなり日差しがきつく、午前か夕方向きの
岩場。利用する客層からして、支点は恐ろしく近く、かつ頑丈。グレードは主に4〜6台が中心。

 とりあえず6月10日は、車から一歩出ただけで、体を持って行かれそうなくらいに強烈な風で、コンタミヌを敗退。(確かにいつも何台もの車が置いてあるはずの駐車場は、他の車が居な
かった)

 T氏と3人ですごすご戻ってきたガイアンも、風は十分あるのに、流石は街のゲレンデ。凄まじい混雑振りだ。まずは4cに運動靴で久野がロープを掛けに行き、それぞれが冬靴に履き替
えて幾度かTRで足慣らし。


4cでまずは体を慣らす

 「じゃ、次はミキちゃんね」と言われ、5cならと冬靴で取り付いた。ちなみに5cとは5.9くらい。が、これ、5cの割には上に行くほど立ってくるのと、ホールドの向きが悪い。そして5cを2本
繋げてしまったのでロープは50mで、最初は一段上でビレイする長さ、5.10aくらいにはなっただろう。

 上ではスタンスが無くなってホールドがやや遠く、迷いながらも思わずホンキ入って気合いで抜けたら、隣に居たガイドグループのガイド氏から帰る際、「やぁ、良い出来だったね、ずっと僕
らは見てたんだよ」なんて誉められ、ちょっと照れる。
 他に冬靴でTRで練習している(ガイドにさせられてる?)人は居ても、リードしていた人は居なかったからだろう。でもせいぜい5.9だし・・・
 ただ突風に繰り返し煽られたのは怖かった。気象条件だけはアルパインチック?バランスを取りにくい上、木の葉や枝に小石、色んなモノが飛んでくる。

 確かにクライミングシューズなら余裕だろうが、悪いホールドではスメア(摩擦)出来ない冬靴だけに、ルートのグレードよりは質次第で難しくなってくるようだ。このルートもそうだが、アプロ
ーチがグレードより楽に感じたときは要注意。一癖あって、シューズを使わなければそこを越えられない可能性がある。


私のリードしたラインの右にチャレンジするT氏

 あとで隣の5c、6aにも掛け替えて、両方をそれぞれがTRで登り、日が陰り始めた頃にカウンターラペルの練習に移った。
 フォローの確保から、フォローが落ちてそのまま下まで降ろす場合のバックアップと、フォローの所までトップが降りていくカウンターラペル。
二つしかやっていないのに、手順が混ざって混乱してくる。もっと頭の整理が必要だろう。帰ってメモに記しながら要点をまとめてみる。

さて、翌日はコンタミヌの復活戦だ。


この日は台風並みのフェーンが吹き荒れ、置いてあった帽子やザック、運動靴までもが、宙に舞って飛んでいった


そして砂塵もすごく、砂利の礫が痛いほど

 この日の夕方街に行ったら、台風一過のように木々の枝が街頭に散乱していました。こんな日に登るなって?こんな日だから、みんなゲレンデにしか来られないんですよ。


6月11日

 コンタミヌには、車がないと行けませんが、下のルファイエの街からサンジェルベに上がり、サンジェルベからコンタミヌのある谷、ムジェーブの谷とに分かれます。シャモニから車で50分
くらい。支点はやはり異常に近い。4〜7台まで、どの層でも楽しむことが出来る。

 マルチピッチもあって、ガイアンよりは日の射し始めるのが遅く、午前から行けば比較的風が抜けることもあり、昼間も涼しく登ることが出来る。
ENSAの生徒もよくここで、登山靴を使った練習をしていた。


如何にもフランス人クライマーっぽいムキムキ兄ちゃんが、6b〜6cあたりのハングを次々乗越していた


段差はあるが、手は比較的良い

 まずはクライミングシューズで、5cと思われるルートにTRセットに行く久野。
 が・・・出だしは簡単なのに、どう見たってクライミングシューズでも辛そうなハング越えで、シューズ履いてるのに決して楽には見えないのは何故?

 どう見ても冬靴向きではないので、シューズを履いて隣の5cに掛け替えに行こうとすると、「まぁ、折角TRなんだし、冬靴で行けば?」と勧められ、渋々靴を履いていく。「マジで?足ハン
グの上に上がらないんですけど、靴がバツーラじゃ!」ハングの下に一旦体を引いてから、見えなかった足場をもう一歩確認し、そこからもう一度乗り込みに行く。恐ろしく怖い。
 
 アンダーで小さな足場を拾いながら、もう一段上のハング下をトラヴァースして越えれば後は楽になるが、どう考えたって冬靴で登るルートではないだろう。


スラブだが、小さな水平スタンスを拾っていく5c

 慣れれば乗れる僅かなスタンスも、慣れるまでにはかなり怖く、私など遠くのホールドに伸び上がれば、シューズとは違って簡単に滑ってしまう。よって手に足ムーブの連続となるので
す。

 次はまた別の5cへ移る。(なんで5cの替わりが5cなの?)
 やめときゃいいのに靴を履いてスタートした久野。核心部でやっぱり断念。シューズで仕切り直す。次の私はTRだし靴でも何とか登れたが、やはりシューズでリードする12とは言わなくと
も、5,11並みの本気は入る。
 易しいルートはスラブが多く、登山靴では大変です。

 振り替えた次の6bは、やはり核心でホールドが消えてシューズでなければ足だけでは乗り込めず、5cラインに逃げないと越すことが出来ない。
も一つ隣の5cは、久野は易しいというが、私には足が切れてしまい1ムーブがこなせない。

 ここまで登ってからトポを眺めていた久野・・・・
「あ、ゴメン。ミキちゃん最初に靴でやったの、あれ6a+だわ」5,10ノーマルのハング越えって、そりゃ冬靴じゃ難しいはずだ。

 かつてENSAの生徒がここでTRで6bのハング越えしているのを見て、「おお、私達もいつかやってみなくちゃ」と驚いたものだが、やってみて解ったのは、5台なら大体は登れるが、6を
越えると冬靴では向き不向きのルート次第だということ。

 考えてみればあの日の彼は、決して冬靴ではなかったし、ロックシューズを履いていたのでした。ロックシューズって何?



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山岳ガイド ミキヤツ登山教室は、夏山、冬山ともに国内では八ヶ岳、穂高・槍ヶ岳、剣岳、北岳、小川山、瑞牆山など、海外ではヨーロッパのシャモニ、ドロミテで山岳ガイド、登山教室、雪
山教室、クライミング教室を行っています